<夜>


むすびちゃん。むすびちゃん。

産巣日
「う〜ん…。ねむいよう…( ̄  ̄)」


起きて起きて。

産巣日
「なに?〜( ̄◇ ̄)」


時刻は夜9時。
都会ではまだかなり早い時間だが、もうこのあたりは真っ暗で、静かだ。
今自分のいる部屋以外、どこにも明かりのない漆黒の世界。

産巣日
「まだあさじゃないぉぅ…(ー∩ー)」


弥都波
「今からお星様を見に行こうと思うの。一緒に来ない?」


産巣日
「ん…いく…」


ということで、この旅の最後に、『星を見に行こうツアー』が決行された。
宿を出ようとすると、旅館の女将さんに呼び止められた。

女将「お散歩ですか?」

弥都波
「ええ。星を見に行こうかと思いまして…」


女将「じゃ懐中電灯持って行きなさいな」

迦具
「え…。でもすぐそこまでなんですが。」


女将「いいからいいから。」

女将さんから懐中電灯を受け取った。

 



1分後、僕たちの読みは甘かったのがよくわかった。
ほんとに真っ暗なのだ。宿屋からもれる明かりの他に、なにもない。
完全に真っ暗なのだ。



迦具
「ここまで真っ暗とは……」


弥都波
「懐中電灯がなかったらもう一歩も進めませんね…(^^)」


産巣日
「こわいようぅ(T◇T)くらいようぅ(T□T)」


だいじょうぶだよ、むすびちゃん。空を見てごらん。

産巣日
「そら?」


…………!