…………!




産巣日
「わあ……っっ!」


満点の星空。


僕は、生まれて初めて、天の川を見た。


弥都波
「きれい…」


産巣日
「なんでここにはこんなにたくさんおほしさまがあるのかなあ(@∩@)?」


迦具
「都会では空が明るいから見えないのよ…」






「ぴいいぃ…。ぴいいぃ…。」


ん?なんだ?

産巣日
「いまなにかきこえたよう(@△@)」


迦具
「笛の音みたいな音が聞こえたわね」


産巣日
「おばけ?おばけ?」


弥都波
「ううん。ちがうよ。あれは鹿の鳴き声ですね」


え?鹿?あんな声で鳴くの?

弥都波
「私も聞くのは初めてですが、鹿は笛の音のような声で鳴くらしいですから(^^)」


へええ…鹿の鳴き声かあ…。

「ぴいいぃ…。ぴいいぃ…。」



迦具
「あっ!流れ星!」


産巣日
「え?どこどこ?」


弥都波
「あっ!あっちにも流れ星!」


産巣日
「どこどこ?」


あ、そっちにも!

産巣日
「わかんなかったよぅう(T□T)」


よく見ると、ずいぶんたくさんの流れ星。
1分にひとつは確実に星が流れる。

産巣日
「あううう〜(T□T)むすびもながれぼし、みるぅ〜」


だいじょうぶ。

産巣日
「え?」


さっきの流れ星に、『むすびちゃんのために、おっきな流れ星を見せてください』ってお願いしたから。

産巣日
「ほんと?!ほんと?」


ほんとだよ。

産巣日
「おっきなながれぼしみえる?」


うん。きっと見えるよ。だからようく空を見ててごらん。

産巣日
「うんっ(^▽^)」


それから10分後だった。
あきらめて帰ろうとしていた僕たちの前に、
空いっぱいに尾を引いて走る、特大の流れ星が現れたのは。

まるで、ジャンボジェット機がすぐ上を通ったような大きさだった。
流れ星の音が聞こえるはずはないんだけど、
『しゃんっ』という音が聞こえてきそうな、特大の、流れ星だった。

むすびちゃん。良かったね。


翌朝。僕たちは出発した。